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翻訳ソフトのFAQ

ここでは主にプロの翻訳者または翻訳業務ユーザーが翻訳ソフトを使う場合について紹介しています。内容は順次追加しますのでお楽しみに。

翻訳ソフトとは何ですか?

翻訳ソフトは、「辞書」に基づく言語的な解析を行って訳文を出力します。「辞書」をユーザーがきちんと設定すると、それに応じた訳文が出力されます。

翻訳ソフトは、消費者向けにはそれなりに活用されてきましたが、これまで翻訳者による活用法が研究されていませんでした。またルーウェリン反応のために誤解されてきましたが、正しい活用法を身につければ、「翻訳者による翻訳」の品質と効率を向上できます。

翻訳ソフトでは、翻訳メモリーツールと異なり、翻訳メモリーがなくても効率的に作業できます。ただし、翻訳ソフトよりも翻訳者の方が確実に上手に翻訳できる必要があります。つまり、翻訳者が使う場合は、翻訳メモリーツールよりも、はるかに高度な技能が必要になります。

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対訳エディタとは何ですか?(05/09/26)

業務用翻訳ソフトに含まれる、原文と訳文を左右に並べた状態で翻訳作業を行うためのツールです。「対訳翻訳」などと呼ばれていることもあります。業務用翻訳ソフトでは、実際の翻訳作業をほとんど対訳エディタで行います。翻訳ソフトの訳をすべて必ず使わなければいけないわけではありません。役立つ箇所だけ利用するという方法もあります。

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自動翻訳サイト(自動翻訳サービス)と翻訳ソフトは違うのですか?

自動翻訳サイト(自動翻訳サービス)でも翻訳支援システムでも、ソフトウェアの面では共通部分がありますが、用途がまったく異なります。自動翻訳サイトは、英語が苦手な方が低品質でも楽に翻訳できるサービスです。自動翻訳サイトでは、ボタンをひとつ押すだけで「自動的に」翻訳結果が出ます。その一方で、翻訳支援システムは、プロの翻訳者が工程の一部を自動化することにより、翻訳作業の品質と効率を上げるために使用します。「どのように自動化するか」ということを翻訳者が指定することになります。いわば専用の自動翻訳サイトに調整していくようなものです。そのため、翻訳支援システムでは、英語力、日本語力、翻訳力、パソコン技能のすべてが高いレベルで必要になります。

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翻訳ソフトの活用に必要な技能とは何ですか?

訳文の質を問わなければ、だれでも翻訳ソフトを「使う」ことはできます。しかし翻訳者が仕事に使うためには、翻訳ソフトの間違いを常に完全に指摘し、よりすぐれた翻訳ができる必要があります。具体的には、高度な英語力、日本語力、翻訳力、パソコン技能、約3年以上の実務経験などが求められます。

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翻訳メモリーツール(翻訳メモリー)とは何ですか?(05/04/25)

翻訳メモリーツールは、ユーザーが翻訳した過去の訳文を「翻訳メモリー」として蓄積し、数学的な一致率に基づいて再利用します。翻訳メモリーツールのことを「翻訳メモリー」と略すこともあります。翻訳メモリーには、以前訳した訳文と原文が対として保存されています。翻訳メモリーツールは、現在訳している文書の中に、以前に訳したことがある原文と似たものがあるか比較します。原文どうしが似ていれば、当然ながら訳文も似たものになるはずです。そのようなときに、翻訳メモリーツールは、たとえば「86%似ているので、この訳文を使い回すことができますよ」と教えてくれます。そして、翻訳者が文を翻訳し終えたら、その文を翻訳メモリーに順次追加していきます。

翻訳メモリーツールは、便利ですが、これまでの訳文の蓄積がなければ、あまり効率を向上できません(同じ文章の中に繰り返しが何度もあれば、少しずつ効率が良くなりますが)。また言語的な処理を一切しないので、語順が入れ替わるだけ、名詞や動詞の活用などの変化だけでも手作業が必要になります(翻訳ソフトの場合は自動で処理できます)。

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翻訳支援ツールとは何ですか?(05/04/25)

翻訳ソフトと翻訳メモリーの総称です。翻訳ソフトの機能を持つ翻訳メモリーもあります。また大半の業務用翻訳ソフトは翻訳メモリーの機能も備えています。しかし、「翻訳ソフトの翻訳メモリー機能」は機能的に不十分です。

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どのような翻訳支援ツールがよいのですか?

翻訳支援ツールの選択は、その用途、業種、使用頻度、使用者の技能、第三者との情報共有の他、さまざまな要因に左右されます。プロ翻訳者が一般消費者向けのソフトを使用すると不適切な場合があり、またその逆もありえます。

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翻訳支援システムとは何ですか?

秋桜舎では、翻訳メモリー翻訳ソフトを統合した包括的な翻訳ソリューションを「翻訳支援システム」と呼んでいます。現状では、翻訳メモリーと翻訳ソフトのどちらかだけでは最大限の効率を上げることはできません。

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どのような分野の翻訳支援で使えますか?(06/07/01)

翻訳ソフトは基本的にどのような分野でも使うことができます。特に技術、医学、科学など専門用語が多い場合は、効果を発揮します。翻訳メモリーと異なり、文の繰り返しが少ない場合でも有効です。

翻訳ソフトは100字程度の文章では比較的スムーズに翻訳できます。しかし、長い文章やあいまいな文章では解釈を誤る可能性が増えます。特許翻訳の日本語では長い文章やあいまいな文章が多いため、かなり困難が予想されます。さらに今後の研究を要する分野です。

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翻訳ソフトは日英でも使えますか?(05/04/25)

現在、翻訳ソフトの活用については、日英よりも英日翻訳での研究が進んでいます。翻訳ソフトによる日英翻訳では、まだ解決すべき課題が多くあります。ただ日英、各文が簡潔で論理的な場合や、きちんと訓練を受けた書き手が書いた原文であれば、それなりの効果はあります。日英翻訳での具体的な問題とは、日本語文章での「構成」と、英語を含む欧米諸語の論理構成の決定的な違い、日本語表記の多様性(漢字、ひらがな、カタカナ、ローマ字、送りがな、中黒、音引きなど)、日本語の文法や概念の定義のあいまいさ(「生成」と「作成」の違いなど)などです。日本語を最低限国際的に通用させるため、また日英翻訳ソフトを有用なものとするためには、「日本語の技術文書の書き方」についての議論を続けていくことが重要でしょう。

なお、日韓・韓日でのソフト翻訳では、英語の場合よりも精度が高いようです。

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ユーザー辞書はいつ、どれだけの頻度で作ればよいでしょうか?(07/08/21)NEW!!

プロの翻訳者が使用する場合、翻訳ソフトのユーザー辞書は翻訳プロジェクトに取りかかる前に作成します。翻訳プロジェクトごとにユーザー辞書を作成する、ということです。この工程が不十分であることが、翻訳ソフトの導入に失敗する原因として多いようです。

「翻訳プロジェクトごとにユーザー辞書を作成する」というのは大変なように思えるかもしれませんが、慣れれば決して困難ではありません。どれだけ傾向の似た原文を翻訳するかにもよりますが、似た原文を翻訳している限り、作る辞書は作業のたびに少なくなります。

辞書作成を支援するツールはいろいろあります。一括して辞書を作成するツールもあります。一定の効果を上げるには、しっかり辞書を作る必要があります。中途半端な辞書を作っても意味はありません。また大規模案件でないと効率が悪い、ということにも関係しています。

 「辞書の作り置き」はほとんど意味がありません。「使うかもしれない辞書」を手当たり次第に作るのではなく、「実際に使ってきた辞書」が蓄積されることには意味があります。 これは、飛行機が離陸するために一定の速度を必要とするのに似ています。翻訳者以外のユーザーは、翻訳する量が少なく、ユーザー辞書がなかなかたまらないために、び立てないのです。 手際よく辞書を作る技能が、翻訳ソフト活用の鍵であるともいえます。