下記のツールでは、UTX形式用語データを使用することができます。UTXに正式対応していないツールであっても、ほとんどの場合は最小限の修正で使えます。UTX公式サイトのツール紹介ページもあわせてご覧ください。
用語ツールGlossary Converter
ExcelなどとMultiTerm用語ベースを、ドラッグ アンド ドロップするだけで相互変換するツールです。Glossary Converterでは、UTX 1.11がサポートされています。無料でどなたでもダウンロードできます。
UTXが直接MultiTerm用語ベースにでき、またMultiTerm用語ベースからUTXへの変換もできます。UTXで独自のフィールドを定義している場合は、変換時に割り当てが必要になります。UTXヘッダー内のコメントも用語ベースの「詳細情報」に保持され、著作権情報も変換されます。
UTX変換ツール(正規化ツールを含む)
UTX変換ツールは、AAMTが開発された、UTX形式と各種の用語形式を相互に変換するツールです。UTX形式の構造が正しいか検証する正規化機能を含みます。Sorceforgeでオープン ソースのプロジェクトとして公開されており、ツールは無料で入手できます。
用語ツールApSIC Xbench
公式ページ ApSIC Xbenchバージョン3.0(有償)ではUTXを直接サポートしています。旧バージョン2.9は無料で使用できますがUTXは公式にはサポートされていません。ただ、以下の点に注意するだけで、UTX用語集を使うことができます。
- UTXファイルの文字コードをUTF-8 BOM付きにしておきます。Xbench 2.9では、UTF-8でもBOMが付いていないと文字化けしてしまうので注意してください。「メモ帳」でUTXを開いて保存し直す際に文字コードを指定できます。
- Xbenchに追加するファイルの種類として、”Tab-delimited Text File”を指定します。
- ドラッグ アンド ドロップ以外でUTXファイルを開くときは、[ファイルの種類]で[All Files (*.*)]を選択すると、*.utxファイルが表示され、選択できるようになります(なお、これはExcelでも同様です)。
Xbenchで訳語チェックをする
Xbenchを使用すると、UTX形式の用語集(用語データ)などと照らし合わせて、用語が正しく翻訳されているか確認できます。
SDL Trados Studioを使用している場合、Studioの用語検証でも訳語チェックはできます。Xbenchを使うのは以下のような場合です。
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Tradosを持っていない人がTradosバイリンガル文書(*.sdlxliff)の訳語をチェックしたい場合。
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用語ベース形式でない用語データでチェックしたい場合。Tradosで用語検証をするには、用語データが用語ベース形式(*.sdltb)に変換されている必要があります(Glossary Converterを使えば簡単に変換できますが)。Xbenchでは、用語ベース形式ではない、たとえばUTX形式のままの用語データでチェックできます。頻繁に用語が更新されるプロジェクトで、新規追加用語のみを確認したい場合にも便利です。
以下はその手順の一例です。
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[Project]→[New]で、プロジェクトを新規作成します。[Project properties]ダイアログが自動的に開きます。
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UTXなどチェックに使用する用語集を指定します。ファイルは、[Glossary List]にドラッグ アンド ドロップできます。チェックに使用する用語集では、[Key Terms]のチェックをオンにします。[Priority]は[High]にします。
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チェック対象のファイルを指定します。複数のファイルを一時にチェックできます。ここでは1つのsdlxliffファイル(Tradosの訳文側のバイリンガル文書)をチェックすることにします。チェック対象のファイルの言語ペアが、前項で指定した用語データの言語ペアと一致するように注意してください。ここでは、両方とも英日です。ファイルは、[Glossary List]にドラッグ アンド ドロップできます。[Type]は”Trados Studio File”として認識されています。チェック対象のファイルでは、[Ongoing Translation]のチェックをオンにします。
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この時点で、必要に応じてプロジェクト ファイルを保存することもできます。
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[QA]タブに切り替えます。[Check group]で[Content]を選び、[List of Checks]で[Key Term Mismatch]のチェックのみをオンにします。
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[Check Ongoing Translation]ボタンをクリックします。チェックの結果が表示されます。この場合、「AAMT・UTX用語集 (UTX 1.11).utx」によると、原文がentryの場合、訳文は「項目」という訳語が必要になります。しかし、実際の訳文では「項目」という訳語を使わない訳になっていたために、指摘がされたわけです。
翻訳メモリー ツールOmegaT
公式ページ 無料で使用可能。
用語集としてそのままで使用可能(エンコードはUTF-8)。